PRODUCT

製品紹介

Human Adipose Derived Stem Cell Conditioned Media

生物由来原料基準とADSC-CMの安全性についてはこちらから。

製品名

ADSC-CM(エーディーエスシー シーエム)

INCI名

Human Adipocyte Conditioned Media Extract

表示名称

ヒト脂肪細胞順化培養液エキス

実施試験一覧

in vitro試験

線維芽細胞遊走試験、角化細胞増殖能測定試験、線維芽細胞増殖能測定試験、間葉系幹細胞増殖能測定試験、TGM2遺伝子発現測定試験、Col1遺伝子発現測定試験、Col3遺伝子発現測定試験、HAS-1遺伝子発現測定試験、HAS-2遺伝子発現測定試験、コラーゲン発現測定試験、ヒアルロン酸発現測定試験、メラニン発現測定試験、チロシナーゼ活性測定試験 等

クリニカル試験

リンクル、ブライトニング、アンケート、ヒトパッチテスト 他

製品説明

ES細胞に始まり、2012年の京都大学山中伸弥教授がiPS細胞の功績によりノーベル医学・生理学賞を受賞した事から、幹細胞とそれを用いた再生医療は広く認知されています。そして2014年に「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」が施行されたことから、日本は世界に先んじて再生医療の提供が可能となり、私たちにより身近なものとなってきました。

私たちの体は恒常性を保つために、体細胞と呼ばれる様々な種類の細胞達がそれぞれ与えられた役割に従い働いています。体細胞達はそれぞれ同じ種類の体細胞を増やす増殖能を持っていますが、彼らにも寿命と増殖できる回数の限界も有りますので、その数は徐々に減少していってしまいます。このような多種多様な体細胞達の供給元となる細胞を成体幹細胞と言います。体細胞と幹細胞の一番の大きな違いはつまり、自分とは異なる細胞になることできる分化能を持っている事です。幹細胞はどれくらい多くの種類の細胞に分化できるかによって機能的に区分されており、汎用性の高さからも高い分化能を持つ幹細胞がより求められています。現在見つかっている成体幹細胞の中で、最も高い分化能を持つ幹細胞は、骨髄や歯髄、臍帯、脂肪などに分布している複能性(Multipotency)の間葉系幹細胞(MSC: Mesenchymal Stem Cell)です。2022年現在、国内で行われている殆どの成体幹細胞を用いた第2種再生医療提供計画に用いられている幹細胞はこのMSCで、同じ細胞種であることも有り、また他組織と比較し取得量と皮膚に最も近い距離にある事から提供元となる患者自身への負担も少なく安全な為、脂肪由来が殆どです。

幹細胞を用いた再生医療は大きく2つのアプローチに分けることができ、1つは分化能を用いた直接的なアプローチでもう1つはパラクライン効果を用いた間接的なアプローチです。2017年に世界で初めて加齢黄斑変性の治療にiPS細胞を網膜色素上皮細胞へ分化させ、その細胞シートを移植したことは記憶に新しいですが、この様に目的の細胞に幹細胞を分化させ、移植するのが分化能を用いた直接的なアプローチです。もう一方の間接的なアプローチは、私たちの細胞達は、それぞれ近隣の細胞達とサイトカインをはじめとしたリガンドと呼ばれる様々な情報伝達物質を用いてお互いに影響を与えており、これをパラクライン効果と言います。これは幹細胞も同様で、私たちの体に存在している成体幹細胞のパラクラインを促す、または目的の細胞、組織周辺にパラクライン効果を及ぼす事です。こちらにつきましても高い分化能を持つ幹細胞がより様々なリガンドを分泌できる傾向がある事から、脂肪由来のMSCが主に用いられています。

この様な背景からMSCに生体外で組織再生に適したリガンドを分泌させ、それを目的部位に処方する事でパラクライン効果を及ぼす間接的なアプローチとして第4世代の細胞医薬品である創傷治癒剤の開発がスタートしました。

ADSC-CMは、脂肪組織からMSCを分離し、培養した際に幹細胞から分泌されるタンパク質成分に富んだ馴化培地で、化粧品業界では主にヒト幹細胞培養液の名で知られています。判明しているだけでも少なくとも1,000種以上の異なるタンパク質を含んでおり、その他にも次世代のDDS素材等様々な用途で期待されるエクソソームの含有量も多いことから、2022年現在韓国ソウル大学病院と共同研究を進行中です。

MSCは高い分化能を持つ事から多種多様なリガンドを分泌しますが、その種類は培養法に大きく左右される事となります。私たちの体内では細胞達は隣接した細胞達とそれぞれ連携しながら働いていますが、従来の二次元培養と言われている平面培養になるとそのやり取りは非常に限定的な物となり、細胞達はそれぞれ個々の働きでほぼ生きていくことになります。また、一部の細胞を除きMSCをはじめとした多くの細胞達は表面積を大きくするため延伸した形状になり、体内にいる時とは異なる形状を持つことになり、ひいては分泌できるリガンドも非常に限定的で、偏ったものとなってしまいます。このような背景から様々な手法を用いてより生体内に近い環境を再現する、主にスフェロイドと呼ばれる細胞の凝集塊を作成する三次元培養法が日々研究開発されています。しかしながらこのスフェロイドの作成は非常に難しく、MSCをはじめ多くの細胞種は一定のサイズを超え始めると中心に酸素や栄養素が行き渡らなくなりネクローシス(壊死)がはじまります。一度このネクローシスが始まると、連鎖的に他の細胞にも行き渡る事となり、結果TNFやインターロイキン等の炎症系のサイトカインを多く含む馴化培地となります。また、問題なくスフェロイドを作成できたとしても、目的としたリガンドを分泌させる事も非常に難解です。例えば酸素や二酸化炭素の濃度、培地の含有成分の構成要素、交換頻度等様々な物理的、化学的刺激を与えることで環境ストレスをコントロールし、目的に近しい理想的な環境を整えることが必要になります。

この様な問題を解決する為に、CELLINBIOでは独自の三次元培養法であるDynamic 3D Cell Culture Systemを開発し、皮膚に対し理想的なリガンドを含有する高性能で安定した品質の馴化培地の供給をいち早く可能としました。この品質の高さから、安全性の担保により動物実験が求められるヒト幹細胞培養液ですが、化粧品用途のみならず日本以外にも韓国やアメリカ、中国、ロシア、シンガポール等様々な国でご愛顧いただくアクティブ原料です。

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